【感想】「これでいいのか東京都八王子市」を読んでみた【八王子市民必読?】

八王子の本屋さんに、八王子のガイド本と同じように平積みされている本を知っていますか?
その名もなんと「これでいいのか東京都八王子市
「これでいいのかって言われても…」と内心思いつつ、とても気になる…。ああ、まさに出版社と本屋の戦略に乗せられまくっています…w

気がついたら私はこの本を手に取ってレジに行っていました。

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八王子に縁があって16年目の私

私は、生まれも育ちも生粋の多摩県民…もとい、京王線沿線の多摩地区でずっと過ごしてきました(笑)
八王子も多摩県…じゃなくて多摩地区だけど、10代のころの私にとって、八王子は

  • 甲州街道を西に行くと八王子
  • 京王線の終点
  • 高尾山に遠足で行った

位の知識と思い入れしかありませんでした(爆)

ちなみに、夫に出会う前に(小学校の高尾山遠足以外で)八王子に行ったのは1回。

ちなみに、夫は八王子育ちで小学校から高校までずっと八王子。

そんな私が、縁あって八王子に住むようになり感じたこと…「八王子の住んでる人は八王子出身の人が多い」ということ。この本で多用されている「土着民」という表現が適切かどうかは私には分かりませんが、まあ、とにかく、(閉鎖的かどうかは分からないけど)八王子には八王子出身の人が多いという認識は私にもありました。

でもまあ、10年以上も住んでいれば八王子に愛着も湧くわよね。基本的に便利だし、大きな街だし。全国のどこで 「お住まいはどこですか?」と聞かれても「東京」じゃなく「八王子」であらかた通じちゃうんだもん(笑)

ベースは2012年発刊の「これでいいのか東京都八王子&多摩ニュータウン」

これでいいのか東京都八王子市」という本は、2012年に刊行された「これでいいのか東京都八王子&多摩ニュータウン」を文庫化。
文庫化にあたり、内容を八王子市に特化し、最新情報の加筆と古い情報の訂正で構成されています。

構成としては

 

第1章 八王子市ってどんなトコ?
第2章 多摩を束ねた八王子の歴史
第3章 土着民が集結する八王子中央地区
第4章 格差と開発計画で揺れる八王子西部・西南部地区
第5章 明暗くっきり八王子の二大ニュータウン
第6章 大学と企業しかなくても重要な八王子北部地区
第7章 多摩地域の盟主の座は八王子のものなのか?
第8章 八王子が再び多摩の覇権を握るために

という感じで、基本的にはデータや取材内容をもとにして書かれているように感じました。

例えば、犯罪のデータなんかは警視庁の「犯罪情報マップ」を見れば客観的にわかります。
確かに、周辺に比べて八王子の治安が良い方ではないということもデータを見れば一目瞭然。

私は、このマップの存在を既に知っていて見たことがあったのでまあそうだろうなと思っていたのですけれども、もしかしてそういうデータを知らなかったら読んでてビックリするかも。

とにかく、展開や文章が週刊誌を思わせる内容で(おそらく狙ってそういう内容にしたんだろうけど)、やたらと立川と比較して煽ったり、こき下ろされた表現で書かれている地域もあることから、
八王子にご縁があるかどうか(ていうか、八王子に縁のない人はこの本読むのかな?w)、八王子在住歴、八王子のどこに住んでいるか、そして…八王子への愛着度(笑)によっては、読んでて怒り出す人もいるかも。

まあ、 「八王子に縁もゆかりもない人が、八王子に対する記事を書くとこうなるんだろうな」ってのが分かる本ですね。

おススメは「八王子在住歴が浅く、八王子のことを知りたい人」

この本は、八王子出身ではなく何か縁があって八王子に引っ越してきたけど「八王子のことはよく分からない」人が読んでみるといいんじゃないかと思います。

週刊誌チックな文体なので読みやすくはありますし、かなり八王子の事が詳しく書かれてあり調べてあり、八王子のマニアックな知識が1冊で身につきます(笑)

私も、この本を読んで八王子に関するマニアックな知識が増えました。

例えば、私の場合は八王子まつりの「上」「下」の違いが分からなかったのです。なんで山車や神輿が「上地区」と「下地区」で分かれて集まるの?とか。ああ、氏子さん!神社の違い!納得。すっきりした!!

基本的に、データをもとに取材もして調べて書かれてあるように思います。

けれども、 「え、これ合ってる?」って言う箇所も見受けられます。

八王子のことをよく知らないし、八王子出身でもない私でも気が付くところがありました。

八王子バイパスが2015年10月31日から無料化されていることが加筆されてないのも気になりましたが(これが紙媒体の怖いところですね。WEBだったら気づいた時点で修正できるのに)。

「1982年に鹿島・松ヶ谷地区が多摩市に編入しようとしたけど出来なかった」という内容の記事があるのですが

行政サービスの手続きをするには一度多摩センから京王相模原線で橋本まで行き

ダウト!!(笑)

当時の京王相模原線は、多摩センターまでしか運行されていないはず。
南大沢まで京王相模原線が延伸したのは1988年だもん。橋本まで延伸したのは1990年だよ。
当時、中学の同級生が南大沢に住んでいて、南大沢まで延伸する前は「多摩センターからバスで30分かかってた」と言っていたのを覚えていたので、時系列として「おかしいな」と思いました。

当時の人々はどうしてたんでしょうね。八王子に行くのに多摩センターから聖蹟桜ヶ丘までバスで行っていたのか、調布を経由していたのかは分かりませんが、少なくとも「京王相模原線で橋本まで行き」は1982年の時点ではありえません。

私が「おかしいな」と思ったところを見つけてしまったくらいなので、もしかしたら八王子にずっと住んでる人には「この記事のここは間違ってる」というところがたくさん見つけられるかもしれません。

週刊誌を読むような感覚で

というわけで、この本は週刊誌を読むような感覚で気軽に読むと良いと思います。

読み物としてはなかなか面白く、みなみ野地区の建築条件とか西八王子駅には8軒も公営自転車置き場があるとか…知ってると八王子の雑学というか、話のネタになりそうなことはたくさん載っていました。

八王子に住み始めたばかりで、八王子のことがよく分からない人は読んでみると面白いかもしれません。

ただ、やはり、最近テレビでも立川と比較されるところがありますが、わざわざ比較しなくてもいいのかなと思ったりするところはあります。立川には立川の良さ、八王子には八王子の良さがあっていいのでは。

まあ、比較すると「ネタ」にはなりますからね。

ちなみに、「これでいいのか東京都立川市」は、「これでいいのか東京都八王子市」と同日発刊されています。でもナンバリングは立川の方が前。ちょっと悔しいと思ったりして(笑)

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