「麻ひもを手織りする」ってどういうこと?第一人者の歌川智子さんに話を聞いてきたよ
みなさん、「麻ひも」と聞いたとき、どんなことを思い浮かべますか?
私は、家庭菜園をやっていたので、苗と支柱を結んだり、支柱同士を結ぶのに使っていました…。
ハンドメイド作家さんのSNS&ブログのサポートをしているのですが…麻ひもってこんなことも出来るのね…と思っています。
最近、私も「麻ひもバッグ」というのを知ったのですが、主に売られているものはかぎ針で編まれているものだったり「サイザルバッグ」と呼ばれる、アフリカの方がサイザル麻を使って「編んで」作っているバッグがあります。そう、麻ひもでバッグを作ると言えば「編む」という過程で作られているものだというのが主流なのです。
しかし、今回は、「麻ひもを手織りする」ということを20年続けてきた、「うたちゃん」こと歌川智子さんにお話をお伺いしました。
「麻ひもを手織りする」ということがどのようにして生まれたのか、そのことを記事にしたいと思います。
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もくじ
「夏にぴったりのバッグが欲しい」閃きを形にするところから
それは今から20年以上前…。夏物のバッグが欲しくて街に買い物に出たのですが、欲しいものが無くて帰宅。だったら自分で作ってみようか…とふと「麻ひもを手織りしてみる」ということが閃いたのです。
これが、記念すべき「麻ひもを手織りして作ったバッグ」第1号です。
当時、私は近隣に住む子どもを対象に「創作教室」というものを開催しておりました。
工作に限らず、その時集まった子供が「作りたい!」というものを作る…という要望にこたえる形で進めていきました。
あるときは工作、あるときは手芸、ある時は料理…。その中で、ダンボールや麻ひもというのは、私の中ではとても身近な資材として存在していました。
↓当時の創作レシピノート。今でも宝物です。
麻ひもバッグを見た友人たちが「私にも作って」…ハンドメイド作家として活動開始
私が作った麻ひもバッグを見た友人たちが、つぎつぎと「私にも作ってほしい」というので、うれしくなって作っていきました。すると、それを知った人から声を掛けられました。「ハンドメイドマーケットに出店してみない?」と。
何と、開店したばかりの立川駅南口の駅ビル、グランデュオ。
まさかまさかの、私のハンドメイド作家としての初出店は「立川駅南口の駅ビル」でした。
今思えば、未熟でお恥ずかしいところはたくさんありますが、ここから、先輩作家さんたちにディスプレイの作り方などをたくさん教えてもらいました。
「ハンドメイド作家として」勢いに乗っていた2000年~2010年代
「簡易織り機で両面織り」というオリジナルの技法に実用新案登録をしたのが2002年。
その織り機に「おりりん®」という名前を付けて商標登録をしたのが2012年です。
こちらは樹脂版の「おりりん®」です。廉価版として、ダンボールで作る「ecoおりりん®」もCreemaにて販売しています。
この20年は、ハンドメイド作家として、ハンドメイド講師として多忙な日々を送りました。
ダンボールでの両面織りを「輪織り」と名付け、「おりりん®で輪織りを楽しむ」ことを全国に広めるために、北海道から九州まで声がかかるところはどこでも馳せ参じてワークショップや販売をしてきました。
2015年、念願の書籍発売!
2016年8月、阪神百貨店梅田本店(大阪)での催事出店
一番多忙だったのは2010年代後半。年4回ペースで個展を行い、それと並行して百貨店の催事と各地でのレッスン…という怒涛のスケジュールで活動しておりました。
2015年に主人を亡くしてからも、ハンドメイド一本で生計を立ててきました…いや、立ててこれた、のです。
歌川智子、個展2019冬 会場ディスプレイ
2019年、伊勢丹府中店での催事出店
2019年春、日本ホビーショー2019 ブース内のワークショップ写真
2020年、コロナ禍で作家人生初めての「スケジュールが真っ白」を経験
それまでの20年と比べたら、2020年は静かで寂しい1年になりました。
年4回ペースで開催されていた個展も出来ず、レッスンも一時期はオンラインのみ、今でも再開できなくなった場所もあり…これからどうなるんだという不安で押しつぶされそうでした。
ハンドメイドの収入だけでは生活が苦しくなり、今では週に数回夜勤のアルバイトもしています。とりあえず、アルバイトのおかげで生活は立て直しが出来たのですが…やはり私はものづくりを通じてお客様に貢献したいという想いが強くなったのです。
自分の活動を広げるきっかけに…クラウドファンディングに挑戦
数年前から、Creemaでも販売をしていたのですが、Creemaさんがクラウドファンディングのプラットフォーム「Creema SPRINGS」をオープンさせたということで、早速自分も出店しようと思いました。
Creemaさんの審査が下りて、出店する際にお知らせするコンテンツの作成が大変!笑
今まで、自分が初めてのお客様に出会うのは百貨店の催事だったり大型イベントのワークショップであることが多かったものですから、「これ何ですか?」って聞かれたらその場でお答えできますよね。
そして、ブログはすでにお客様になっている方に向けて発信している感じだったので、今回のクラウドファンディングでは「初めての人に自分の商品の魅力を文章で伝える」ということにかなり苦戦しました。
「麻ひも × 手織り = 輪織り」を全国に広めたい!応援よろしくお願いします
今回のクラウドファンディングで、今までのお客様にうたちゃんを思い出してもらうのと同時に、今まで「麻ひも × 手織り = 輪織り」を知らなかった人に、「輪織り」の魅力を伝えたいと思っております。
手仕事は脳の活性化にもつながります。あと10年もすれば私も高齢者の仲間入り。以前、子供向けに創作教室を運営していた経験を生かして、子どもからお年寄りまで楽しめる「輪織り」をたくさんの人に知ってもらい、活用してもらいたいのです。
小学校の学童保育や放課後子ども教室、高齢者施設でも活用のプランを提出できます。
手軽に手に入るダンボールで織り機を作って、100円ショップでも手に入る麻ひもで簡単に手織りが出来ます。
そこに、歌川オリジナルの「輪織り」の技法を使えば、継ぎ目が無い輪っか状態の織地が出来ますので、丈夫な麻ひもから丈夫なバッグが出来るのです。
「手織り」ならでは、思い出の布を織り込んだ「裂き織り」という技法も使えます。
オーダーいただければ、裂き織りの技法を使って思い出の品をリメイクすることも可能です。
(注:今回のクラウドファンディングでは、リメイクは承っておりません)。
今回のクラウドファンディングでは、「麻ひも × 手織り =輪織り」の普及活動に力を入れていくための
ご支援を賜りたいです。
特に、今後、高齢者施設に導入できるかも?というお話も来ています。よって、主に福祉施設への導入を目指して
働きかけを行うための活動費用になればいいと思っております。
歌川智子クラウドファンディングは、2021年2/25~4/25です。ご支援よろしくお願いします。
今回、お話をお伺いしたのは
歌川智子(うたちゃん)
女子美術短期大学卒業。
3人の女の子を出産後、工作教室を12年間開催する。
工作教室と並行してハンドメイド作家デビュー。
ハンドメイド作家&講師歴は20年以上の大ベテラン。
独自の技術「輪織り」を提唱し
「おりりん®」という簡易輪織り機を実用新案登録・商標登録も行う。
「手仕事は世界を救う」をモットーに
手織りを中心とした手仕事の啓蒙と技術向上に励んでいる。
YKKやクロバー、神奈川大学など
企業や学校からの講師依頼も多数実績あり。
年代を問わず、受講生のレベルに合わせた講座開催に定評がある。
現在は、自宅アトリエ(JR中央線 立川駅もしくは国立駅からバス)、ものづくり館byYKK(秋葉原)、古民家カフェかすみ草(自由が丘)で、手織り教室を開催している。
ちなみに、ガールズバンド「赤い公園」のドラム、歌川菜穂は三女にあたる。
→アメブロ「うたちゃんのおりりん日和」
→歌川智子ホームページはこちら
→日本輪織り協会ホームページ
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